不妊症と東洋医学

2023年01月20日

不妊症とは


妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しない状態をいいます。期間は「1年というのが一般的である」と定義されています。
女性では排卵障害、受精障害、着床障害、卵子の老化、男性では射精障害や精液の異常などがあげられます。不妊は年々増加傾向にあります。背景としては結婚年齢の晩婚化やライフスタイルの変化などが考えられます。
男女とも加齢により妊娠が起こりにくくなることから、一定期間を待たないですぐに治療したほうが効果的である場合もあります。
不妊症の方の多くは月経不順、月経痛、冷えやむくみなどの不調を抱えています。これらの不調を解決し、身体のバランスを整えることで体が若返り妊娠や出産に近づくと東洋医学では考えます。

東洋医学では、「気」「血」「水」は全身を巡り生命活動を支える基本物質であると考えます。
「気」は生きていくための生命エネルギーで身体を温め、代謝の力を生みます。
「血」は体に栄養とうるおいを与えるもの。
「水」は汗や尿、リンパ液など「血」以外の液体です。「気」によって「血」と「水」は全身を巡り、栄養を届けます。
妊娠しやすいからだをつくるには「気」と「血」「水」が不足なく、巡っていることが大切なのです。
晩婚化したことや、不規則な生活、過労、睡眠不足などにより、気血水が不足すると、妊娠力が弱くなってしまいます。ストレスや冷えなどで気血水の巡りが悪くなってしまうことも授かりづらい不妊を招いてしまいます。

 

鍼灸で整える

不妊症と診断されても、一部の方は子宮や卵巣などに明らかな異常が見られないことがあります。

原因がよくわからない。=血流が悪い可能性が高いです。

遠回りなようでいて鍼灸や養生によって身体のバランスを整え、妊娠しやすい身体づくりの近道かもしれません。鍼灸では体質に合わせ、妊娠しやすい身体に改善していきます。

 例えば

腰が冷えて痛い→腰の周辺の異常

生理痛でお腹が痛い→下腹部の異常

足が冷える→足と全身の凝り

鍼灸施術は、体質や体の凝り具合、歪みに応じて様々な部位を施術します。また、不妊症の原因は生活習慣とも深く関係しています。生活習慣を見直すのも忘れずに。自分の体の状態を知り、それに合わせた鍼灸施術を受けることをオススメします

子宮内膜ポリープと鍼灸

2023年01月19日



子宮内膜ポリープ

出血量の増加や不正出血を引き起こすことがあります。比較的頻度の高い疾患です。
子宮内膜の細胞が何らかの原因で異常増殖し、子宮の内腔に突出したものが子宮内膜ポリープです。


症状
不正出血
月経の量が多い、が長引く
閉経後の性器出血がある
不妊症


上記いずれかの症状がある場合は、婦人科の受診をオススメします。


鍼灸アプローチ


下記のツボ周辺を刺激すると症状の軽減が目指せます。


子宮内膜ポリープに効くツボ紹介


三陰交


女性ホルモンの分泌を調整するツボです。女性特有の不調から更年期症状や冷えやむくみに対して効果的。

【ツボ探し方】 内くるぶしのいちばん高いところに小指をおき、指幅4本そろえて、人さし指があたっているところ

血海
生殖器の血液の循環をよくしてくれるツボ。月経痛や月経不順

冷え性や更年期障害など女性特有の症状に対しても◎

【ツボの探し方】

ひざのお皿の上、内側の角にくすり指をおき指幅3本当てて人さし指があたっているところ

鍼灸施術によって
子宮内膜ポリープに伴う症状の軽減を目指すことができます。
婦人科の循環の悪い方が多いので鍼灸施術はオススメです。
お気軽にお問合せください。

不育症と鍼灸

2023年01月18日

不育症の原因

妊娠はするけれども、2回以上の流産、死産を繰り返して結果的に子供を持てない場合、不育症と呼びます。習慣流産と呼ぶこともあります。
日本には約3万人の不育症の方がいると推定され、珍しくはないようです。。

不育症の4大原因は以下の通りです。


1. 抗リン脂質抗体症候群


自己抗体が母体の血液中に発生し血液が固まりやすくなり、血栓症や流産が生じやすくなる。

2. 子宮の先天異常


子宮の形に異常がある状態。代表例は子宮の中に左右を隔てる壁がある「中隔子宮」

3. 両親いずれかの染色体異常

「均衡型転座」と呼ばれる染色体異常があると、流産が多くなります。

4. 胎児の染色体異常

染色体異常の影響で育たず、流産になります。

 その他、甲状腺機能低下症や糖尿病などの内分泌障害も、流産に関連すると考えられています。不育症の原因として最も多いのが、胎児の染色体異常です。


東洋医学から見た不育


東洋医学的に見たとき、不育症は、子宮や卵巣の周辺組織の血流が悪くなっていると考えます。
血流が悪くなると新しい血液が卵巣や子宮に届きづらくなります。

卵巣に十分な血流が確保できないと卵子の質の低下。


子宮は着床しにくい、また着床しても育たない状態になる可能性があります。


慢性的な冷えは、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科疾患を招くこともあります。


血流を良くするということは、とても大事なことなのです。

鍼灸ハナマルは、鍼灸施術により、体の凝り、冷えをとることで卵巣、子宮の血流を良くすることで不育症に対してアプローチしていきます。

子宮筋腫と鍼灸

2023年01月17日

子宮筋腫とは

子宮筋腫は子宮壁にできるコブのような塊で良性の腫瘍です。

30歳以上の女性の4人に一人はなると言われています。

良性腫瘍なので、悪性の腫瘍ではありません。
しかし、できる場所や大きさによって不妊の原因となることがあります。

子宮筋腫の症状は

月経痛
貧血
頻尿
便秘

などあげられます。

初期は無症状のことが多く、症状が強くなって、初めて異変に気付き病院に行く方が多いようです。

東洋医学で考える子宮筋腫

子宮筋腫で見られる症状の1つに「しこり」があります。

東洋医学では、この「しこり」の性質や特徴、全身に現れている症状により 筋腫の原因を考えていきます。
「しこり」は体の活動エネルギー・栄養源である血・体を潤す水の流れが 長期間、滞ることによりつくられます。

エネルギーが停滞することを気滞といいます。
「気滞」とは、ストレスなどにより気の流れが滞ってしまう状態です。

血の流れの停滞を瘀血といいます。
気と血は、いっしょに流れています。気滞と瘀血により 滞ってしまう状態が長期間つづくと、結果としてしこりがつくられてしまうわけです。


鍼灸ハナマルでは、以下のツボ周辺の凝りをとるように施術します。

気滞に効くツボ

太衝
【ツボの探し方】
足の親指と人さし指の骨の間に指を置き、足首の方へ辿って行って指の止まる所。
【効果】
イライラ、不眠、目の疲れ、婦人科のトラブル

 

瘀血に効くツボ


血海
【ツボの探し方】
ひざのお皿の上、内側の角にくすり指をおき指幅3本当てて人さし指があたっているところ

【効果】
膝の痛み、女性の特有の症状(月経不順や月経痛、閉経、更年期障害など)じんましんなどの皮膚トラブル、股関節の痛み


鍼灸施術によって
子宮筋腫が縮小ないし消失させた症例報告もございます。
また子宮筋腫に伴う月経痛や月経過多のような、症状は軽減される方が多くいらっしゃいます。
妊活中で筋腫のある方は、もともと婦人科の循環の悪い方が多いので鍼灸施術はオススメです。
お気軽にお問合せください。

着床に関わる疾患の特徴と鍼灸的アプローチ

2022年12月21日

 
 

黄体機能不全への鍼灸ハナマルでのアプローチ方法解説

 
 
黄体機能不全
 
卵巣機能が低下することによっておこる状態です。
 
①黄体ホルモン (プロゲステロン) の分泌低下
 
②子宮内膜の働きに異常がある
 
以上の2つのケースがあります。
 
子宮内膜に問題が生じるため、受精卵が着床しづらくなってしまいます。
 
自覚症状はありません。
状態が悪化すると不正出血や頻発月経になります。
 
基礎体温は低温期と高温期の差が0.3度未満になることが多いです。
高温期中に一時的に体温が下がる
高温期の日数が短い
高温期の体温が低い
 
などの特徴があります。
 
鍼灸ハナマルの施術では
 
東洋医学に
 
血虚
気虚
腎虚
いずれかのの状態と考え
ツボや部位を選定します。
 
 
 
病院の治療と併用される方も多く
 
東洋医学的アプローチをすることで基礎体温が安定する方も
いらっしゃいます。
 
 

妊活にオススメのツボ

2022年07月27日

妊活に一番大切な基本中の基本のツボをご紹介します。

妊娠に大切な3つのポイント

・栄養のある血液をつくれている

・ホルモンバランスを整え月経周期が一定である

・成長、生殖、発育の機能が正常に働いている

そこで妊活にオススメのツボが妊娠3穴。

妊娠しやすい身体つくりに最適のツボです。

体を温め、生命力を補う働きがありますので、疲労回復にも最適です!

関元 (関元) 効能:婦人病全般、生理不順、冷え症の改善

カラダの中心線上でおへそから指幅4本下です。

神闕 (しんけつ) 効能:消化機能回復、生活習慣病

へその位置

気衝 (きしょう) 効能:生殖器の病、不妊症 

左右の骨盤の内側

オススメの刺激方法は

ペットボトル温灸 50度~60度のお湯を入れたホット用のペットボトルを3回~5回刺激してください。

電子レンジ対応タイプがオススメです。

参考動画はこちらから↓

体外受精 胚移植後の過ごし方

2022年03月30日


今回のブログでは胚移植後の過ごし方 2022年版 について解説していきます。


最新の内容になっておりますので是非確認してみてくださいね。

体外受精では、受精卵を子宮に戻す「胚移植」が行われます。

胚移植は不妊治療の最終段階。

胚移植後は受精卵が着床し、妊娠判定を待つ大事な時期になります。


特に胚移植後の日常生活の過ごし方は気になりますよね。


そこでお客様からよくいただくご質問をまとめてみました。

今回は科学的根拠に基づくものから、科学的根拠がないけど気をつけておきたいことまでご紹介します。


科学的根拠のあるもの


 安静にした方が良いのか?運動はして良い?


2014年にアメリカで発表された報告では、胚移植後に、センサーを着けて体の動きを調べると、日常生活での動きやスポーツは妊娠率に影響がなかったとのことです。

むしろスポーツや活動性が多いことは妊娠率を向上させる、としています。

「胚移植後の安静」の効果は否定されており、胚移植後にクリニックで安静を保つ指導もされていないようです。

よって胚移植の後の日常生活は、いつも通りでいいということになります。

ただし、2020年の論文の報告によると運動強度が強いと化学流産が増える、という報告がありました。

過去に流産歴があり、低用量アスピリンの投与を受けている方が対象調査になります。

運動強度が低い方に比べて、中等度では2倍、さらに強い強度の方たちでは1.9倍と、ともに化学流産の確率が上昇したとのことです。

以上を踏まえると着床期に激しい運動は控えた方が良いかもしれません。


 性交渉について

受精卵は子宮の中に戻されており、性交渉は腟内で行われますので、妊娠への影響が無いようにも思われます。

しかし、2回以上性交渉があったグループで着床率が下がる、という調査報告があります。

排卵後5〜9日目の着床期に

「性交渉がない」

「1回だけ性交渉がある」

「2回以上の性交渉がある」

グループを比べると、2回以上性交渉があったのグループで着床率が下がっていました。


このデータから読み取れることは、着床期の性交渉は妊娠率を低下させる可能性があるということです。

今回のデータは胚移植後の調査結果ではありませんが、着床期の性交渉は控えた方がいいかもしれません。


 喫煙


移植後に限らず喫煙は妊活においては弊害しかありません。

喫煙することによって、卵管での卵子をキャッチする機能低下や、卵巣の排卵機能低下を引き起こします。

また、体外受精の際にも喫煙女性から採取された卵は非喫煙女性から採取された卵より受精率が低下。

さらに子宮内膜血流低下から子宮性不妊症も発生し、着床しにくいとの報告があります。

喫煙は控えましょう。


 着床をサポートする食べ物


こちらに関しては胚移植後ではなく前もって摂取する必要がありますので、詳しい情報に関して、また作成したいと思います。ちなみに抗酸化物質は、卵子の質を高めます。


そして着床環境を整える効果が報告されている栄養素にビタミンDがあります。


不妊専門クリニックに通院する患者さんの出産率は約20%です。


2017年の論文では抗酸化物質を摂取することにより出産率を26〜43%に高めるという報告があります。


抗酸化物質には、ビタミンE、ビタミンC、ビタミンB群、ビタミンD、コエンザイムQ10などがあります。
これらは移植前から摂取したいものです。


科学的根拠がないが気をつけたいこと


科学的根拠がないイコール効果が無い、というわけではなく、根拠が導き出されるデータが存在しないが気をつけたいことをご紹介します。


 仕事


職種にもよりますが、激しい肉体労働以外の職種であれば、通常通り続けて問題ありません。

肉体労働がよくないのかについても論文などの報告は、今のところありませんので、過剰に気にする必要はなさそうです。

どちらにしても、妊娠判定日までストレスをためすぎないように過ごしたいものです。


冷たい食べ物


科学的根拠はありませんが、冷たいものを過剰に食べたり身体を冷やしすぎないようにしましょう。食べるにしても程々にしましょうね。




アルコール・カフェイン

体外受精を受けているカップルを対象とした2011年の調査では、妊娠前のアルコールの摂取は出産率を低下させたとの報告があります。

しかし移植後にアルコールやカフェイン摂取に関する研究はありません。摂り過ぎない程度にしておきましょう。


入浴


胚移植後に限らず、シャワー浴だけでなく、浴槽に入浴する方が当然、身体が温まります。

ただし熱い湯船に長時間、というのはオススメしません。

体を温めすぎると、寝つきが悪くなります。

42度以下のお湯で就寝の2時間前位に済ませておきましょう。


自動車、自転車の振動


自動車や自転車の運転による振動による影響も心配になるかと思います。


しかし、今のところ科学的なデータはありません。

いずれにしても妊娠中の運転は、体調に気をつけながら長時間の走行などは控えめにされた方がいいと思います。


以上が胚移植後の過ごし方になります。


胚移植後は、これまで紹介したことに気をつけていただき基本的には普段通りの生活をしていただいて大丈夫です。


ストレスをためずリラックスして過ごしましょう!

VOL28二人目不妊について

2021年12月27日

なかなか第2子を授からない、二人目不妊の方が多くいらっしゃいます。

二人目不妊のお母さんの多くは、「自分の時間がない」ことが多いようです。時には子供を預けて、一人の時間を持つことも大事です。好きなことをする時間を作り、ココロを温めましょう!

そして、妊娠力をアップさせるために、規則正しい生活、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレスの緩和に取り組み、健康なカラダを作りましょう!

土台ができていない状態では、卵子を良い状態に保つことができずに、妊娠しづらくなったり、妊娠したとしても、正常に育っていくのが難しくなってしまいます。最先端技術をもってしても、成功しないこともあります。

家族がハッピーでいるためには、お母さんがハッピーでいなくてはいけません。やはり、ココロとカラダが大切なのです。

VOL27不育症・反復流産の東洋医学的解釈

2021年12月27日

「不育症」とは、妊娠しても、流産や死産を繰り返し、生児を得られない場合と定義されています。

自然流産は、全妊娠の約15%に発生しますが、そのうち約80%は、卵子の老化(その卵子に偶発的に発生した染色体異常)によるもので、年齢とともに増加し、防ぐことのできない流産といわれています。

東洋医学の考え方では、妊娠・出産は「腎」が司っています。腎のエネルギーが低下すると、自律神経の調節がうまくいかなくなります。自律神経は、基本的な生命活動をコントロールしていて、自律神経がエネルギー不足を感知すると、生命を維持する活動を優先させ、母体保護のために妊娠を中止にしてしまうと考えます。

規則正しい生活、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレスの緩和は、自律神経のバランスを整え、妊娠力をアップするだけでなく、不育症や習慣流産を防ぐ体作りでもあります。ぜひ、取り組んでみてください。

VOL27 妊活ココロも温めましょう

2021年12月27日

真面目な人ほど、「妊娠するためには、どんなことでも犠牲にしてがんばろう。」と思ってしまいがちです。傷ついて落ち込んだ心は、冷たくなってしまい、筋肉を固く縮こまらせ、血流を悪くしてしまいます。

幸せに生きるために、子どもを望むのであって、妊娠がゴールではありません。今の自分と向き合って、あるがままを受け入れ、健康なカラダ作りとライフスタイルの改善に取り組むことで心の冷えを取りましょう。そして、二人の良好なコミュニケーションと支えてくれる周囲の人達への感謝の気持ちで、ココロも温めていきましょう。


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